「理解の秘密」伝えたいことを正確に伝えるために

こんばんは!
やっと読了しました。「理解の秘密 マジカル・インストラクション」
先日図書館で借りたんですが、読むのに1週間もかかりました。

理解の秘密―マジカル・インストラクション (BOOKS IN・FORM Special)

理解の秘密―マジカル・インストラクション (BOOKS IN・FORM Special)

この本は、コミュニケーションにおいて情報を相手に正確に伝えるとはどういうことかを
具体的な事例を交えてまとめた本です。

著者のリチャード・ソウル ワーマン氏は、TEDの創始者として有名みたいですね。
(僕は知りませんでしたけど)

曖昧な情報は誤解を招く

自分の言ったことが相手に伝わらなかったり、間違って伝わってしまったり、
上司の指示を素直に聞く事ができなかったりなどなど、

日常生活で身近に起きているコミュニケーション・ロスを解消し、相互理解を
はかるためのポイントが多くの事例を交えて説明されています。

例えば、あなたが好きな人から
 「私はパソコンは苦手」
という話を聞いたとします。

この言葉には、好きな人がパソコンは得意じゃないという情報の他に、

「苦手だからパソコンは使わない」
「苦手だからパソコンを覚えたい」
「パソコンはあなたに任せる」

などの情報が含まれている可能性があります。

あなたは、その会話の状況から「パソコンは使わない」と受け取ったとします。
しかし、好きな人は「パソコンを覚えたい」と伝えていたとしたら、、、
ここに、コミュニケーションのロスが発生したことになります。

このロスをどう解決していくかが本書のメインテーマです。

キーワードはインストラクション

そのためのキーワードが「インストラクション」です。
タイトルにも含まれていますが、本書の至る所に出てくる重要キーワードで
このインストラクションを理解する事が、本書のメインテーマとなります。

インストラクションは、コンピュータの世界では「命令」「指示」として使われる
ことが多いですが、この本では違います。

僕も、はっきりと断定は出来ないのですが、

コミュニケーションの大切な要素の1つ
伝えたい内容を正確に伝えるための構造・概念

と言ったものと捉えています。(分かりにくくてすみません。)

っということで

仕事(上司と部下)、日常生活、情報発信(ブログ等)、子育てから、
マニュアル作成やインターフェース等のエンジニアリングの分野でも
とても役立つ本だと思います。

事例が多く、ページ数も313ページと結構なボリュームですが、最終章に重要なポイントが
まとまられているので、復習はこの章を読むだけでも良い感じです。

今回は図書館で借りましたが、折をみて購入すると思います。

以下、個人的なメモです。

伝えるメッセージが明確でなければ、良いインストラクションにはならない

指示を出すときは、お互いの目標や景色がマッチしている事が望ましい
マッチしていないと指示は正確に伝わりにくい

上司や部下には様々なタイプがあり、生きるも死ぬも組み合わせ次第
(自分で何でもやろうとする上司と面倒な仕事を避ける部下は良い組み合わせだが
部下を自由にする上司と指示の意図を正確に把握できない部下は問題が発生しやすい)

相手の感情は言葉よりも声のトーンや表情にて伝わる

人は自分のしたいことしかしない

「したい」は「しなければならない」よりも自由な思い

優れたデザイナーはあまりインストラクションを必要としない製品を作ろうとする。
=>いい製品は、どのように使ってほしいかをユーザーに教えてくれる。

記憶が定着しない稀なケースの操作でも迷わずに操作できるインターフェースが理想
(頻繁に利用する操作でも迷わない事が前提)

最後の2つは、システム開発のUI設計で意識すべき重要なポイントだと認識しました。