僕がFlashを好きな理由ー「エモーショナルデザイン」を読んで

こんばんは!
最近雨続きで気温も寒いですが、体調など崩されていないでしょうか。
風邪も流行っているようなのでお気をつけください。

さて、先週から今週にかけて「エモーショナルデザインー微笑を誘うモノたちのために」という本を読みました。
「誰のためのデザイン?」でも有名なドナルド.A.ノーマン氏の著書です。

エモーショナルデザインを読もうと思ったきっかけ

最近、WebサービスやサイトUIについての知識不足を強く感じていました。
この部分はどうしてこの色なのか?このフォントなのか?

そんな体系的な理解が出来ていない事をひしひしと感じる事態に遭遇し、
「このままではいかん!」
との危機感から読みました。

モノを好きになる3つの視点

この本で指しているデザインは、見た目のことだけではなく、モノそのもののデザインを指しています。
そして、モノに惚れる(好きになる)理由としては大きく3種類に分けられると説明しています。

  • モノの外観等の見た目に一目惚れしてしまう(本能的デザイン)
  • 使いやすさや効率性に優れている、使っていて楽しい(行動的デザイン)
  • 思い出や優越感(これを使えるのは自分だけ)による自己満足感、一緒に過ごして来た時間が長いことによる親近感(内省的デザイン)

これら3つの特性を満たす事がよいとされますが、そういうモノを作ることは簡単ではありません。
でも、僕にとってこの3つを満たしたモノこそがFlashでした。

Flashへの一目惚れ

僕がFlashに初めて出会ったのは約5年前です。
当時の主流はHTMLを利用したサイトで、JavaScriptは敬遠されているような時代だったと思います。
静的ページが良いとされ、CSSを使っているサイトも増えつつありました。(多分)

そんな時に出会ったのがNEC ecotonoha(今は動いていません)
サイト全体が音を出しながらアニメーションしているのを見て感動したのを覚えています。

インタラクティブな操作性

NEC ecotonoha」では、葉をクリックすると音が鳴り、葉が増えるアニメーションが流れました。
当時、リンクをクリックして別のページに遷移するページしか見ていなかった自分には衝撃的でした。

Flashのサイトは、最初のページ読み込みに時間がかかるサイトが多いです。
しかし、リンクをクリックするたびにページを遷移し読み込みに時間待たされるストレスがなく、アクションを起こすとすぐにレスポンスが返ってくる。
このようなインタラクティブな操作性は、Flashの最大の特徴の1つだと思います。

今では、JavaScriptHTML5でもインタラクティブな操作が可能になりましたが、処理速度の面では、まだまだFlashの方が早いと思います。(処理にもよりますが)
ただリンゴとの相性はよろしくないので、iPhone用のサイトを作る際にはjQuery等やHTML5に頼る事になってしまいますが。。。。

一時は諦めた技術への憧れ

話は再度5年前です。
NEC ecotonoha」に感動したので、このようなサイトを作る方法を調べてみました。
しかしよく分からず、こんなサイトを作れる人は特別な人と決めつけ、調べる事を諦めてしまいました。
そして、Flashの存在を知らぬまま月日は流れます。

それから数年後、中村勇吾氏がNHKのプロフェッショナルに登場した際、「NEC ecotonoha」が放送された際にフラッシュバックのように当時の記憶が蘇ってきました。
そこで初めて、あのサイトがFlashで作られていた事を知り、Flashに興味を持つようになりました。
技術的にも優れていますし、こんな思い出があるからこそ、僕はFlashには特別な感情を持っているのだと思います。

これからのデザイン

最後に、本書から学んだこれからのデザインで大切だと思う事をまとめます。

今まで、いくつかのWebシステムの開発に携わってきました。
企業向けのサービスを提供していることもあり、最も意識してきたことは使いやすさです。
お客様が今まで大変だった事をどれだけ楽に短い時間で出来るようにするか?
そればかりを考えてきました。

もちろん、それらは大切なことです。
ですが、昨今、単に使いやすいだけでは物足りないと感じる人が増えて来ています。
FlashJavaScriptHTML5やCSS3が好まれるようになってきているのはそのためだと感じています。

Webサービスやサイトをデザインする際、車や携帯のように、機能や使いやすさだけではなく

  • 見た目
  • 使っていて楽しい
  • 今まで使って来たブランドだから
  • 使える(持てる)満足感
そんな基準が必要だと理論的に理解をさせてくれる本でした。

結構なボリュームで読むのが大変な本でしたが、良書だと思います。
間違った理解をしていたら、教えて頂けると嬉しいです。
それでは!

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために

後書きをちょこっと書いてみました。
今回の本の読み方でよかったと思ったこととかロボットの話の走り書きとか、ちょこっと愚痴とかですが・・・